近年、アスリートの「デュラルキャリア」という考え方が市民権を得ている。
筆者が「デュラルキャリア」という名称と考えを聞いたのは、今から約7年前の話でした。(これを書いているのは2023年12月)
あるご縁の関係で、当時JOCの関係者からお話を聞くことができた際に教えて頂いた言葉であり考え方だった。
「デュラルキャリア」という考え方
デュラルキャリアという考え方は、アスリートをしながらアスリート以外で社会で活躍できる準備をアスリートをやっている時から同時に展開していく。という考え方です。
当時のJOCは「東京オリンピック2020」の誘致が決定したばかりの頃
東京オリンピックに向けて、アスリートの発掘・強化を促進させていた時期にあたる。
そんな当時、JOCの方でもオリンピックに出場できるアスリートは僅かなことと、怪我などで志半ばで競技を離れたりするアスリートのために「デュラルキャリア教育」をアスリートだけでなく、スタッフやアスリートのご家族にもその考えを伝えていたところだった。
プロスポーツ選手になれる確率
プロ野球選手やプロサッカー選手(Jリーガー)になれる確率などは、競技者登録人数などから様々算出された資料が出回っておりますが、一般的にプロ野球選手やプロサッカー選手になれる確率は、競技者登録人口などから出した割合は「0.2%程度」というデータが出ています。
つまり、普段スポーツニュースなどで目にするプロスポーツ選手たちはこの「0.2%」の中に入れたアスリートたちということになり身近に感じるところでありますが、この「0.2%」程度という数字はあまり語られていません。
データはありませんが、サッカーの場合でアジアを舞台に活躍している日本人選手も出てきているため、サッカーは少し様子が違ってくると思います。
ある資料によるとプロスポーツ選手になれる確率は、「東大の合格率よりも低い」ということになるそうです。
子供の保護者でもある自分自身に置き換えても、子供にプロスポーツ選手を目指させるよりは現実味のある夢を教えてあげた方が良いかもな。と思ってしまうほどです。
必ず訪れる「引退」という2文字
筆者も若い頃は、ある種目のアスリートを行なっていました。
体の状態から競技者引退を迎えたのは30歳の時、仕事をしながらアスリートを続けていた関係でアスリート引退とともに、これまで行なっていた仕事に専念するという形だったのでセカンドキャリア問題は何事もなくクリアできていました。
しかし引退については、ある日突然やってくるかたちだったので、気持ちの整理をつけるのに時間がかかったのを今でも覚えています。
近年はトレーニングやコンディショニングの知識・技術が発展してきていることから、アスリート寿命も人によっては長くなってきているところもあります。
アスリートは見えないところからも「引退」ということが突然やってくることがあるので準備は常に必要になると思います。
部活動・プロスポーツ選手で得られること
アスリートをやっていく上での「問題・課題」は上記にあげられるところですが、アスリートの価値は違うかたちでも確認することはできます。
1、切り替えの速さ、レジリエンス力(ダメージから復活する力)が強い。
アスリートは常に自分自身や対戦相手と戦っています。だからこそ、ミスをした時の切り替えの速さやダメージから復活する際の強さを兼ね備えています。
これは、セカンドキャリアを形成していく上で一番の強みになると考えています。仕事のストレスやプレッシャーなどを感じても、アスリート経験者はそれを超えていける力があります。
2、ポジショニングと対応力がある。
対人競技であるサッカー・バスケットボール・ラグビー・アメリカンフットボールなどを経験している人は、社会においても戦略的にことを進めることの上手な人が多いと感じます。
自分自身がやってきたその競技のポジションや気質、性格にもよりますが、状況を分析し理解する力やそれを素早く読み取り、どのように行動したら良いか判断し行動できる人が多い印象です。仕事でも組織力が必要な場合、チームワークよく目的達成のために活動できるところはアスリートならではの強さだと感じます。
3、「負けず嫌い」は自己成長の最大の武器
アスリートは自分自身に対して厳しい人が多いです。仕事をする際に出来ないことは出来るように人一倍努力したり、努力するにも人の倍以上の努力や長い期間努力し続ける力がありますので、時間が経過するほど抜きに出る力を持っています。
長く自己成長をしていける人は、結果的に他者と比べて力をつけ良いポジションを作っていくことができるでしょう。
というように、アスリートで養った要素は様々な場面で応用することができます。
では、ディラルキャリアやセカンドキャリアの準備はいつから行なった方が良いのでしょうか。
デュラルキャリアやセカンドキャリアの準備はいつから?
今の時代は、早いに越したことはありません。ジュニアアスリートでも常に勉強やセカンドキャリを考えて「デュラルキャリア」を進めているジュニアアスリートも出てきています。
学生アスリートは、「文武両道」の中に社会人になった時に活躍するための術や技術を習得しておくことが望ましいです。
例えば、サッカー部に所属しているのであれば「審判ライセンス」「コーチライセンス」は最低限取得しておくことで、自分の競技向上にも役立つだけでなく、将来のコーチ業への準備にもつながります。
また、アスリートは意外と時間があるものです。
アルバイトを通じて、社会性や仕事の専門性を身につけておくのもとても大切です。
更に現在はネット社会になるので、PC操作はもちろんの事、仕事で使えるデジタルツールを使いこなせるようになっておくと便利です。
プロスポーツ選手であれば学生アスリートより時間があります。
体を休めている時間に、頭を使う。引退後の準備をするには十分な時間があります。
語学・デジタルスキルなどの自己啓発はもちろんのこと、プロクラブなどの社会貢献活動などを通じて、社会性を身につけたり引退後に活動ができるように準備しておくことが大切です。
プロ選手は「引退」の1年目が一番価値があります。
その価値を十分活用しながら、社会に適応していくことができればセカンドキャリアのスタートはスムーズにいきやすいのではないでしょうか。
これからの若い人たちへ
今の時代は、アスリートの現役時代からスポーツ以外にも活動ができる時代です。
是非、スポーツだけでなくスポーツ以外にも興味を持ってもらい、アスリート活動を通じながら自分自身の価値向上に努めてセカンドキャリアも有意義な時間を送って頂けたらと思います。
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